[完]大人の恋の始め方
「ところで、杏里ちゃんの高校ってどこなの?」
「あーっと、S高校です」
あたしの通うS高校は、全国的に有名な私立校。
学力はもちろん、設備等も全国トップレベルらしい。
「S高校とは、凄いねぇ」
凄いとか言いながら、ニヤニヤとしている高杉さんは、一体何なんだろう?
「実は、凄いとか思ってないですよね?」
「あ、バレた?」
バレますよ、そりゃ。
あたしは、呆れた目で、高杉さんを見た。
「俺、そこの卒業生だからさ」
ふぎゃぁ?!
「そうなんですか!?」
「うん。だからびっくりしちゃった!」
高杉さんは、21歳とは思えないくらいの、可愛い笑顔を見せた。
「そうですね、びっくり」
「じゃあ、ここS高校遠くないし、いいんじゃない?」
…………はい?
何が、いいの?
キョトンとして高杉さんを見れば、さっきのお返しのように、呆れた目であたしを見ている。
「杏里ちゃん、住む所ないんでしょ?ここでいいじゃん」
…………住む所、ここでいいじゃん?
ほえ???
えーっと、待って?
つまり…
「高杉さんは、ここに住む事を薦めてるんですか?」
「そうだよ?」
ニコリと笑う高杉さん。
ほえ~~~~~~!!!!????