[完]大人の恋の始め方
リビングに降りると、優斗さんが食器に目をやった。
「杏里、食器どうする?」
"杏里"という言葉にドキリとする。
「自分のだけっ…持って行こう…かな?」
タメ語も緊張する。
そんなあたしを可笑しそうに笑う優斗さん。
「うし。じゃあ、これ車に乗っけるから、準備しろ」
あたしはコクンと頷き、食器を取り出す。
あたしは、自分の茶碗や箸を取る。
……本当に、あたし優斗さんと二人暮らしするんだ。
あたし、ちゃんとやって行けるかなぁ??
考え込みながら準備していると、後ろから肩に手を置かれた。
「ぅにゃ~~~!!!???」
振り向けば、優斗さんが可笑しそうにしている。
「なんだよ"ぅにゃ~"って。笑える」
「もぉ!!脅かさないで下さい」
ムッと優斗さんを睨む。
「また敬語使う。次使ったら、なんかバツ作るから」
はっ!?
「楽しみだな?」
ニヤリと笑う優斗さん。
このドSがぁ~ッッ
「分かった。使わない」
すると、ふふんっと笑う優斗さん。
この人、謎だ。