[完]大人の恋の始め方
思い込み
鍵を開けて中に入る。
時間を見ると夜の7時。
まだ帰ってきていない事を確認し、ホッとする。
「うわぁ~、キレーな部屋っ」
二人はソファーに座りながら、周りをキョロキョロと見回している。
「心美はともかく、なんで友美までキョロキョロしてんのよ」
あんた1回押しかけてるでしょ。
「えー、だってあの日はそれどころじゃなかったし。」
まぁ、確かに……ん?
あの日?
「あーーー!!!思い出したっ」
いきなり大声を出したため、二人は耳を押さえる。
「なっ何!?」
驚く二人をよそに、あたしは友美の隣に座った。
「友美、あんたあたしに報告することない?」
「えっ?!」
訳が分かっていない様子の友美。
「何、どうしたの?」
心美は状況が分からず、ただあたしをなだめる。
「友美、わかんないの?」
そう尋ねればコクンと頷く首。
ったく。
この娘はっ!!!
「新しい彼氏って何?計くんと響くんとキスしたってどういう事?」
それは、あの時の友美の暴露の事。
ずっと引っ掛かってたのに、優斗さんの事があって忘れてた。