[完]大人の恋の始め方
確かに、他人が一緒に住む。
当然の事だよね?
あたしはコクンと頷いた。
「よし。じゃあ決めるか」
そして、プライバシーを尊重した上で決めた内容。
・お互いの部屋に無断で入らない
・相手のものを勝手に使わない
・家事は杏里が担当
・生活費は優斗が担当
・外泊の場合は連絡する
だった。
本当は生活費出したいけど、そんな収入源はないし。
だから、その変わりに家事を行う事にした。
「じゃあ、これからよろしくな?」
「うん!」
あぁ。
笑顔がカッコイイなぁ。
たぶん、あの笑顔は慣れないだろう。
あたしはソファーから立ち上がり、キッチンに向かった。
「じゃあ、ご飯作るね!」
あたしは、キッチンで夕飯を作りながら、優斗さんを不思議に思う。
なんで、あんなに優しいのかなって。
「杏里、手伝う?」
そう言ってあたしの隣に立つ優斗さん。
「あ、いや大丈夫……って優斗さん?!」
優斗さんは、後ろに回って、あたしの肩に顎を乗せてきたのだ。
「杏里って男の匂いしない。彼氏居ないの?」
………は?!
男の匂いってナニ~!!!???
「いるわけないですよッッ///てゆーか、離して下さい!!!」