[完]大人の恋の始め方
暫くして、ご飯も食べ終わり、優斗さんが自室へ戻った。
それを見計らって、友美は心美の頭を叩いた。
「イッタ?!何するのよ!」
そう言われるなりなんなり、友美は焦ったような、怒ったような顔を見せた。
「心のバカっ!初対面でいきなりそうでもないは、ないでしょ」
その言葉を聞くと、あー。と、頷く心美。
「だって、べつに心のタイプじゃなかったから」
あっけらかんとして言い放つ。
「前から思ってたけど、心ってどんな人がタイプなの?」
「確かに!それ興味あるっ」
心美は、その辺が謎に包まれた女の子。
心美はえーと言いながら顔をしかめた。
「笑わないでよ?」
笑うようなのがタイプなの?
とりあえずウンと頷く。
すると、小さくて短いため息を一つついた。
「心のタイプは、ガッチリとした筋肉質の身体でパッと見怖そうな人」
………それって。
「それ、響じゃね?」
友美は、ニタニタした顔で心美を指差した。
だけど、心美はそれを嘲笑うかのように見て、首を横に振った。
「えーっ。絶対響じゃん!」
「違うよっ。響は心のタイプじゃない」
わけわからん。
響くんって、結構ガッチリした身体だし、第一印象はかなり怖い。