[完]大人の恋の始め方
「だって、優斗さんのプライベートに入っちゃったし、口悪かったし…嫌われたと思った……」
あたしの言葉に、ため息を漏らす優斗さん。
「俺、杏里に呆れられたと思ってたよ。あんなに怒る杏里を始めて見て、どうしたらいいのか分からなくなったんだ」
つまり。
「お互いに勘違いだったんだ!よかったね☆」
友美が本当に嬉しそうに笑顔を向けるから、あたしまで笑顔になった。
が、次の瞬間。
あたしは身体中が熱に包まれた。
ビックリして見上げれば、綺麗に整った優斗さんの顔があった。
「えっ!?優斗さん?!///」
少し抵抗するも、ビクともしない身体。
むしろ、さらに身体がくっついた。
「どうしたの、急にっ///」
恥ずかしさの中にも、仲直りが出来た嬉しさがあって、何だか複雑な心境だ。
優斗さんは、抱きしめたまま、あたしの肩に顔を埋めた。
柔らかな髪の毛が頬に触れてくすぐったい。
「嫌われなくて良かった。俺、杏里に嫌われたら死ぬ」
友美と心美には聞こえないように、そっと呟かれた。
全身に熱がこもりだす。
だってだって!
あたしに嫌われたら死ぬとかっ!
ちょっとくらい、自意識過剰でもいいですか?