[完]大人の恋の始め方
同性だけど、抱きしめたくなる。
綺麗な顔立ちで、一見高嶺の花。
だけど話すと結構子供で、わかりやすい。
このギャップが、いいんだよね~。
「ふふっ」
更に顔をしかめる杏里だが、それが更なる笑いの引き金になる。
「もう、何なの!」
怒り出す杏里の耳に、そっと顔を近付けた。
そして、いわゆる内緒話スタイルを取る。
「杏里、ヤキモキ妬いてたでしょ?」
顔を離して、ニヤリと笑って見せれば、杏里は真っ赤な林檎のようになった。
可愛いなぁ。
「ちっ違うからっ!」
ブンっと、友叩こうとする手を掴み、含み笑いを見せる。
「~っ///」
こんなにわかりやすい子がいていいのか?
不安になってしまうほどに、わかりやすい。
「もぉ、杏里は本当にわかりやすいねっ」
面白くて仕方ない。
「バカにしてるでしょー///」
ポカポカ叩く杏里が可愛い。
チラリと優斗さんを見れば、彼は彼で、なんだかムスっとしている。
お互いにわかりやすいなぁ。
友は、わざと見せ付けて、反応を楽しんだ。