[完]大人の恋の始め方
そう言って行ってしまったワゴン。
その後ろをずっと眺めていた。
「友美、大丈夫?」
よっぽどボーッとしていたのか、杏里が不思議そうに覗き込む。
「だっ大丈夫!」
慌てながらも笑顔を作る。
すると、杏里も安心したように、笑顔を零した。
「はぁー。急に蓮くんが現れてビックリしたね」
ビックリしたとか言いつつ、普通の顔してるけど。
友なんか、どっか飛んでっちゃったのに。
その後、自分の家に帰り、携帯を開く。
ディスプレイには、今日登録したばかりの見慣れない"中島蓮"の文字。
メールって、どう打てばいいんだろう?
敬語?
そもそも、デコメとかって使ってもいいの?
分からないことだらけで、頭がパンクしそうだ。
なんで、こんな事で戸惑ってるんだろう。
初めての経験に、困惑さえあって。
そんな最中、友は名前と電話番号を入れて、敬語でメールを送ったのであった。