[完]大人の恋の始め方
深く深く。
どこまでも追い掛けてくる熱に、もうどうにかなりそうだ。
一体、どうしたんだろう?
「やべ、止まんね…」
微かに聞こえたその声と共に、深さがまた増した。
「んんっっ!/////」
息が苦しくて、生理的な涙が出る。
二人の甘い吐息が廊下に響く。
恥ずかし過ぎるっ///
「杏里、舌もっと出して…」
「ッッ!?!?////」
もっと…?!?!////
戸惑いながらも、少し前に出す。
すると、勢い良く吸い付いてきた。
「ちょっ…!?んんッッ///」
ようやく唇が離れると、あたしはその場に座り込んだ。
激しく乱れる呼吸。
涙目で息を整えていると、頭を撫でられた。
「わりぃ、手加減出来なかった」
ちょっと切なそうな顔。
なんでだろう?
あたしは、優斗さんをそんな顔にしたくない。
あたしは、気が付けば、彼を抱きしめていた。
「杏里?」
予想外の行動に、少し焦っているようだ。
「大丈夫だから…そんな顔……しないで?」
あたしは、そんな顔をさせなくない。
「杏里、俺……」
ピリリリッッ
何かを言いかけると、優斗さんの携帯が鳴った。