[完]大人の恋の始め方
あたしはその手を、引きはがすと、ジロリと優斗さんを見た。
「百面相にもなるよっ!だって、明らかにお金の回りが可笑しいもんっ!もしかして、優斗さんホストもやってる!?」
そう声を上げると、優斗さんは目を点にした。
そして…
「ふははははッッ!!俺がホスト!?ありえねーッッ…ハハッッ!!」
どうやら本当に違うらしく、ツボに入ってしまったようだ。
でもじゃあ、なんでこんなにお金持ってるの…?
「あのさぁ、俺の親父大企業の社長だって言わなかった?」
はい…?
もう今日は、戸惑うことばかりだ。
「聞いてないよッッ」
「あれ?じゃあ、姉貴の会社も親父経営だって言ってない?」
どうやら、本当に言うのを忘れていたようだ。
聞くところによると、優斗さんのお父さんは、有名な財閥で、高級住宅から、衣服や飲食店など、幅広く企業を展開しているところの社長。
会長もおじいさん。
故に、優里花さんの会社もお父さんから貰ったのだとか。
「じゃあ、なんで優斗さんはヘアーメイクリストなんて?」
普通なら会社の社長になっているはず。
「あれ、それも言ってない?」