[完]大人の恋の始め方
ジッと優斗さんを見ると、少し苦しそうな表情を見せた。
「…?」
首を傾げようとすると、後頭部に手の感触を覚えた。
そして、ゆっくりと顔が近付く。
優斗さんの顔が傾いたとき、あたしは優斗さんの肩を押した。
なんだかんだで、本気で拒んだのは初めて。
「どうした?」
近付いたままの形で、覗き込まれる。
近すぎて、顔が真っ赤になるのが分かる。
「くくっ。真っ赤」
優しい落ち着いた声色。
頬を撫でられる。
あー…やばい。
心臓が壊れそう。
こんな状況で、告白なんて……。
チロッと下げていた瞳を上げれば
「ん?」
と微笑まれる。
あーーーっもぉムリッッ!!///
「優斗さんっ近いよぉ~///」
離れようとすると、力が加えられ、さらに密着した。
もう心臓が限界なのにッッ///
真っ赤になって俯けば、優斗さんのふーっという息遣いを感じた。
「せーっかく、杏里からの告白待ってたのになぁ」
その言葉に驚き顔を上げると、コツンと額に額が当てられた。
「あのっ…///」
あたしからの告白ッッ//
しようとは思うんだけど………いざとなると、緊張しまくり。