[完]大人の恋の始め方
愛しき人
「あ、そうだ」
急に身体を離して、部屋の隅に移動する優斗さん。
どうしたのかと、ソファーの背もたれに肘を着く。
すると、目当ての物を見付けたのか、こちらを向いてドヤ顔を披露する。
「なぁに?」
どうやらそれは、ラッピングされた袋のようだ。
優斗さんは再びソファーに座ると、それをポンっと、あたしの膝の上に置いた。
「ん。やるよ」
「あたしに?」
「ほかに誰がいんの?」
確かにその通りだ。
あたしは袋に手をかけた。
すると、中からは、割と大きめの箱が出て来た。
中身は何だろう…?
何だかワクワクしてきた。
箱をパカっとあける。
…………と?
中には、真っ青なサテン生地が入っている。
ん…?
とりあえず、中身を取り出す。
「え、ドレス?」
それは、胸元がVの字に開き、身体のラインがよく出るロングドレス。
足のサイドががっぽりと開いている。
結構露出の多いドレスだ。
更に、青いミュールと、真っ白のレース生地の羽織り物も入っている。
「やっぱりホテルのレストランは、そういう格好じゃなきゃな」