[完]大人の恋の始め方
得意げに笑う優斗さん。
「ホテルのレストラン?」
「1階にあんだよ。でも、制服ではちょっとな」
そう言われて自分の格好を見れば、確かに制服。
これでレストランは正直嫌。
「優斗さん、ありがとうっ」
早速着替える為に、ベッドルームへ移動。
優斗さん、ドレスいつ買ってくれたのかなぁ~?
てゆーか、高いんじゃないかなぁ?
う~ん。
なんかお返しした方がいいよねー。
なんて考えながら、着替えを済ませ、優斗さんのいる部屋に戻った。
「お待た……せ?」
目の前に写るのは、ストライプの入った黒いスーツに身を包んだ優斗さん。
たまにスーツ姿は見てるけど、今日は違う。
だって、襟を出していたり、胸元は第三ボタンくらいまで開いている。
でもそれがまたセクシーでカッコイイ。
ぼーっと優斗さんに見取れていれば、クスリと笑われる。
「どんだけ見てんだよ」
そう言いながら近付く彼に、なんだか緊張してしまう。
この人が、あたしの彼氏だなんて。
贅沢としか言いようがない。
優斗さんは、あたしの真っすぐが髪を手にすくう。
「今日はメイクだけでいいか?」
優しい微笑みに、鼻血が出そう。