[完]大人の恋の始め方
夜風が彼の髪の毛をなびかせる。
まだ少しほてったその顔は、真剣そのもののような気がした。
「杏里」
名前を呼ばれて、ドキっとする。
何かなぁ。
さっきキスのお預けされたし…、したいなぁ~…。
でもぉ、恥ずかしいから、そんな事言えないし…//
そんな事を思っていると、頭の上をポンポンと撫でられた。
「なに?」
照れながらも優斗さんを見ると。
「俺眠い…。早く風呂入りなよ」
ズッテンっ!!!!
真剣な顔してると思ったら、眠かったわけか。
「はぁい。あ、ねてていいからね?」
そう言って、バスルームに向かった。
優斗さんが何か呟いた気がしたけど、聞こえなかった。
湯舟に浸かると、今日1日が一気に思い返される。
何だか、自分が優斗さんの彼女って事が、ほんとに夢見たいだ。
それと同時に、奈緒さんの存在が、頭をよぎる。
ふーっ。
いつかは、話してくれるのかなぁ…?
束縛するつもりはないけど、やっぱり気にはなる。
長い入浴から上がり、バスローブを羽織る。
うーん…。
優斗さんみたいにかっこよく決まんない~っ!
けど、他に着るのないし…。
仕方なく、そのままベッドルームに向かった。