[完]大人の恋の始め方
それぞれの思い
「え、友美が休み?」
次の日
学校へ行くと、友美は居なかった。
「友美が休みとは珍しいよな~」
響くんとあたしは、友美の席を不気味な目で見る。
だって、友美はよっぽどの事がない限り休まないから。
「お見舞いにでも行く?」
チラッと響くんを見ると、首を横に振られた。
「メールしたらただのサボりだと」
「え~?サボりなの~?」
ほんとに珍しいなぁ。
あの学校大好きっ子が。
それに、話も聞いて欲しかったのになぁ…。
シュンとうなだれると、響くんに頭をくしゃくしゃにされた。
「ちょっとーッッ」
ジロリと響くんを見ると、予想外に切なそうな顔をしていた。
「なんも無けりゃいいんだけどな」
響くん。
やっぱり友美の事…。
「大丈夫だよ。それに日曜は撮影だったから疲れたのかも」
そう言って笑顔を見せる。
「まぁそうだな。」
うーん…。
相当心配してるなぁ…。
あたしも心配だし。
それに、一人は寂しい。
「やっぱり寂しいか?」
ただでさえ友美の事で頭いっぱいなはずなのに…。
あたしは教室を出ると、友美に電話をしてみた。