[完]大人の恋の始め方
全然分からない。
「まぁ、明日会えたら聞いてみればいいだろ」
聞いてみれば。
「まぁそうだけど…」
明日は来るのかなぁ。
もうすぐテストもあるのに…。
「よし、乾いた。」
「ありがとう…」
って、なんで優斗さんは、こんなに綺麗に乾かせるのだろうか?
あたしがいつも乾かすのより、サラサラしている。
「ふっ。サラサラだろ?」
得意げに笑う彼は、なんだか憎らしい。
「…うん。どうやったの?」
唇を尖らせて、ジッと彼を見れば、嘲笑いが見えた。
それが見えたのは一瞬で、そのあとには、唇が塞がれていた。
そんなに長くないキスは、最後にチュッと音を立てて離れた。
「くすっ。未だにキスすっと真っ赤になんだな」
「~っ!///」
言葉にならない反論。
分かってるもん。
でもそれは、優斗さんがカッコ良すぎて、キスが上手過ぎて勝手に顔が赤くなるんだもん。
「ふっ。いいねぇ、その表情。そのまま俺に溺れろよ」
「……っ!?///」
ボフンッ///
おおおおおおお溺れろ?!///
しかも…、何!?
この艶やかな目!!!
目を逸らすのを許さないような…