[完]大人の恋の始め方
「ちょっと面倒なことになっちゃった」
ベッドに寝転び、手を天井にグンッと伸ばす友美。
友美の目は、どこか虚ろで、焦点が定まっていない。
先ほどまでは、気にならなかったが、めくれたスカートから覗く、女らしい太股には、無数のキスマークが刻まれている。
赤いものから、薄く目立たなくなったものまで様々だが、その数といったら、恐ろしさまで覚える。
友美の首にキスマークがあるなんて、珍しいことでもないし、そこまで気にしていなかった。
でもよくよく考えれば、首のキスマークだって量がおかしい。
学校に来なかった1ヶ月。
その間に何かがあったのは確実。
でも言ってこないということは、知られたくないということなのか。
「さっきから、何黙ってんの~?」
勢いを付けて、一気に起き上がると、あたしにグンッと顔を寄せた。
息を呑むあたしを嘲笑うかのように、彼女は口角をあげた。
そのエロさといったら、同い年ながら鳥肌が立つ。
「杏里はさぁ、友に報告あるでしょ?」
彼女の問い掛けに、あたしは少し離れ、一度咳ばらいをした。
やっぱり、ちゃんと友美には報告しなくちゃ。
言葉を出そうとすると、妙に顔が熱くなる。
「あっあのね…」
ちょっと裏返った声。
それに友美は、反応し笑い出した。