[完]大人の恋の始め方
「あらあらっ♪杏里ちゃんったら、顔が真っ赤」
うふふっと、微笑まれると何だか恥ずかしくて、むず痒い。
「優梨花さん、からかわないで下さい~//」
あたしの言葉に、「えー?」と、意地悪な笑みを見せる優梨花さん。
そんな顔でさえ綺麗だから、羨ましい。
「ふっ。杏里は俺に惚れ込んでっからなっ」
ニヤリと優斗さんまで笑う。
似すぎだよ!!
この姉弟(きょうだい)!!!
「つーかっ」
コツンと額が合わさる。
ちちちちち近いっ//
恥ずかしくて、つい目をつぶる。
「まーだ、俺といると緊張してんのな」
額が離れてから、目を開けると、ビックリするくらい優しい笑顔があった。
「惚れ込んでるのは、優斗のほうじゃない」
肘をついて、含み笑いを優斗さんに向けている。
あ…、優斗さん、顔真っ赤!!!
ちょっとあたしの方を見て、優梨花さんはウインクをした。
これ…、もしかしてあたしに見せてくれたのかな……?
どっちにしたって、こんなレアな優斗さんを見れて嬉しいっ//
あたしだけが、優斗さんを想ってるわけじゃないんだよね?///
そう思うだけで、安心できた。