[完]大人の恋の始め方
視界がぼやける。
…………ナニ?
きっと、目の前の顔は優斗さん。
なんで焦点が合わないの…?
その時、口内に熱を感じた。
「んんっ?!///」
覚醒する身体。
あたし、優斗さんにキスされてるの!?!?////
「…………まっ…さと…さっ………んんッ///」
優斗さんのしっかりとした胸を押すが、ビクともしない。
初めてのキス、と言ったら嘘になる。
でも、こんなフラフラになるのは初めてだ。
「……ふ…ぅんッ………んぁ…」
自分から出る官能的な声に、羞恥心を抱く。
暫くすると、離れる唇。
見えた優斗さんの唇は、濡れていて、色っぽい。
「……はぁっ…なんでッ///?…」
生理的に出た涙も気にせず、優斗さんを見る。
「そんな顔する、杏里が悪い」
………なんで?
あたし、今どんな顔しているの?
「杏里、そんな格好で、涙目で上目遣いされて、正常でいられるほど、俺は大人じゃない」