[完]大人の恋の始め方
「馬鹿だな。証拠だって言ってんだろ?」
「え?」
聞き返すと、一瞬優斗さんの顔が揺らいだ。
そして、それを隠すように立ち上がる。
「え、優斗さん?」
どうしても顔が見たくて、腕を掴むと、耳が赤いことに気が付いた。
何か言おうとして、照れた?
腕をそっと離す。
ダメだ、可愛いッッ///
耳が赤いなんて、反則だよっ。
そう思いながら、優斗さんを見つめる。
そのしなやかな細く長い指が、ネクタイを緩める。
………うわ///
大人の男性って感じ………。
ベタだけど、やっぱり胸キュンしてしまう。
シャツを脱ぎ、黒いVネックになる。
と、今度は胸元に目がいってしまう。
あたしは変態かよっ!///
頭をブンブンと振ると、優斗さんは笑いながら備え付けの冷蔵庫に手を伸ばす。
さっきまでの赤みがないのが、残念。
………って、やっぱり変態!?
もしかして、S?!
また頭を振る。
違う違う違うッッ……。
すると、額にコツンとグラスが当てられた。
「激しすぎ。」
そう言いながら渡されたのは、オレンジジュース。
一方、彼はお洒落に白ワインで…。
虚しくなるのを感じる。
分かってる。
あたし未成年だもん。
それにオレンジジュース美味しいもん。
なのに、なんでかな?
歳の差を辛く感じる。