[完]大人の恋の始め方
進化
次の日
いつものように、フラッシュに身を包まれる。
いつもと同じ。
確かにそう。
でも、違う。
あたしは、優斗さんに初めて言われたんだから。
あのあと。
「それから、お前はもう俺の女なんだ。
いつまでも女の子気分でいるなよ?」
「え、それって」
「お前は十分魅力的な女だって言ってんだよ!//」
魅力的な女…。
優斗さんの言葉は不思議だね?
なぜか、自信をくれる。
「なんか、杏里ちゃん、雰囲気変わったぁ?」
お馴染みのカメラマンさんも、そんなことを言ってくる。
「え、それは…」
「一皮剥けたね?」
にこやかなその表情に吊られる。
今まで不安だったの。
優斗さんとは釣り合わないんじゃないかって。
でも、もう大丈夫。
世界でただ一人、あなたにとって私が魅力的ならば、それで十分。
「ほーんとに一皮剥けたわね?もしかして」
休憩中、優里花さんはあたしに近づく。
そして、小声で
「ついに初体験済ませたの?」
つぎの瞬間、あたしは持っていたコーヒーを落としてしまった。
「あっつ!…やらかした~」
あたしは急いで床を拭く。
すると、アシスタントさんが、速やかに片付けてくれた。
悪いことしちゃったなぁ~。
でも!!
「急に何言い出すんですかっ」