[完]大人の恋の始め方
夏休み明け
あたしは久しぶりに、制服を身に纏った。
まだ暑いから、ワイシャツに白っぽいベスト、スカートという恰好。
「優斗さん、起きてっ!!」
相変わらず、寝起きの悪い優斗さんの身体を揺する。
その時に発せられる「ん~」という唸り声が、やけに色っぽくて、紅潮してしまう。
「杏里、キスしろ」
起きたと思ったら、急になんの冗談?
あたしは軽くため息をついて、優斗さんの身体を起こす。
はだけた寝衣があらわになると、あたしもどうしていいか分からなくなる。
「ったく。朝から素直じゃねぇ奴には、お仕置きが必要だな?」
そう言うと、優斗さんに引っ張られ、彼に跨がる形となってしまった。
「ちょっ!!///」
ビックリしたのも一瞬で、優斗さんの意地悪な笑みとともに、唇は塞がれた。
こうされたら、あたしは抵抗出来ないことを、彼は知っている。
やっと唇が離れた頃には、あたしは不規則な呼吸になっていた。
「もぉ!///朝から何するのよ///」
なんて、説得力もないよね。
こんな真っ赤な顔じゃ…。
案の定
「んな真っ赤な顔で言われてもなぁ?」
ですよね~。
分かってるんだけどね?
「そんな事言ってないで!///朝ご飯っ!」
あたしは、恥ずかしさから、終始無理矢理、優斗さんを引っ張り起こした。