[完]大人の恋の始め方




そして、暫くそのまま二人で座っていた。


が、不意に友美があたしに抱き着いたのだ。



多少驚きつつも、あたしはただ友美の背中をさすり、言葉を待った。



すると、ようやく友美は口を開いたのだ。




「実はさ、生理がこないの」




「え…?」




生理が…、こない?



待って?
あたし達、まだ高校2年生だよ?



動揺を隠しつつ、あたしはひたすら友美の背中を摩る。



「どのくらい…きてないの?」



「………3ヶ月」



………3ヶ月。
妊娠している可能性も、確かにあるが、もしかしたら…、ストレスかもしれない。



「友美、今日確認してみない?」



今日は始業式だけで、午前中で帰れる。



あたし達は、始業式が終わると、薬局に向かい、妊娠しているかを調べるそれを買った。



友美の家に着くと、友美は緊張しながらトイレへ向かおうとする。



そんな彼女の腕を、あたしは掴んだ。



そして、そのままリビングへ。


「杏…里…?」



「ちょっと、聞きたいことがあるの」



妊娠しているかどうか確認する前に聞きたい。



「なに…?」



友美が座る事を促してくれて、あたしはそれに従い座る。


そして、隣に座った友美と向き合う。



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