[完]大人の恋の始め方
それから、なかなか戻らない友美を、ただ心配しながら待っていた。
もし、妊娠していたら…、あたしはなんて声をかけたらいいのだろうか…?
喜ぶ…?
怒る…?
呆然とする…?
全てが違う気がして。
仮に、あたしが妊娠したら。と、考えてみた。
もし、優斗さんとの子供を、授かったら…。
複雑だな…。
嬉しいけど、不安がたくさんあって…。
優斗さんが、受け入れてくれるかも、心配になったりするんだろうな…。
たぶん、友美もそういう状況だよね…?
すると、ようやく友美がリビングに戻ってきた。
「友美ッ」
立ち上がって、彼女を見るけど、彼女はただ、検査結果を見ているだけ。
どっち?!
友美は、そろそろとあたしに近付くと、ギュッとあたしに抱き着いた。
震えている彼女から、あたしはそっと機械を取る。
あたしは、ふー。と深呼吸をすると、それを見た。
…………。
「友美」
「……うん?」
「あたしが着いてるからね…?」