[完]大人の恋の始め方
変に振りほどくと、優里花さんに迷惑が掛かっちゃう…。
でも、絡まれるのは嫌ッッ
「あれぇ?もしかして、ないてたのー?」
やたらボディタッチが多くて、気持ち悪い。
「あの、もう帰らないといけないので…」
「えー!あ、じゃあさ、写メ一緒に撮ってくんない?」
満面の笑みで、携帯を見せてくる不良。
……ここは、仕方ない。
とりあえず、撮って逃げよう!
そう思って近寄ったときだった。
「きゃっ…んぐっ!!!」
口を押さえられ、ベンチに押し倒される。
ナ…ニ……ッッ?!?!
突然のことで、頭が回らないことをいいことに、不良は胸へと手を滑らした。
「……ん゙?!!!!」
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!!!
離してよッッ!!!
気持ちはそう思うのに、身体が動かない。
嫌っ
嫌だよ!!!
助けて!優斗さんッッ!!!
流れる涙。
身体を撫で回す二人の男。
もう嫌…。
こんなんじゃ…、優斗さんにも合わせる顔がない…っ
「さて…、下はどうなってんの?」
徐々に手が下に下りてくるのが分かる。
嫌っ
必死で身体を捻るけど、どうにもならなくて…。
「まっ…」
「ん?…ま?」
「優斗さんッッ」
あたしは、無我夢中で彼の名前を呼んだ。