[完]大人の恋の始め方
「なんなんだよ、それ」
時は変わり、ある撮影の日。
今日のドレスは、大人っぽくてゴージャスがテーマ。
そんなわけで、あたしもメイクしてもらおうと、メイク室に行ったんだけど…。
「それって、酷くない?優斗君よぉ?」
あたしの背中から抱きしめる形を、とっているのは、優斗さんではない。
かと言って、優里花さんでもない。
あたしにとっては、罪悪感でいっぱいなのです。
そう、あたしにくっついているのは…
「離れろ、蓮!」
ご存知、中島蓮くん。
今日は、"あの"コラボの日です。
スタジオ入りから、ずっと蓮くんは、あたしにくっついてるから、優斗さんは凄く不機嫌。
…なんだよね?
……理由、合ってるよね?
………ヤキモキ、だよね?///
自惚れかなー…?
優斗さんが、あたしに妬いてくれるなんて。
ほんとは、仕事が進まないから、とかじゃないよね…?
うーん。
あたしって、まだまだ自信ないなー。
こんなんじゃ、優斗さん誰かに取られちゃうよ…。
悶々と考えていた、その時。
何と無く、我に戻って…
目の前に…
「うぎゃーーー?!///」
優斗さんのドアップが、ありました。