[完]大人の恋の始め方
彼氏いるくせに、人の彼氏に、色目使うな!!
むすっとして、衣装のドレスを強く掴む。
すると、優斗さんがあたしを腕を引いて、そっと耳に唇を寄せる。
「…ヤキモチまる見えだけど?」
吐息混じりの呟きに、きゅうっとドキドキして。
あたしは、真っ赤になりがら、目を強く閉じた。
「違うもんっ」
「ふーん?」
馬鹿にしたような目で、そう言うから、ちょっとムカつく。
でも、当たってるから、あんまり強く反論できなくて。
「あっれー?
なんで優斗がいるの?」
そんなとき、ちょうど撮影が終わった、ありすちゃんが、やって来る。
「おー、ありす。
杏里が迷惑かけてんな」
優斗さんは、あたしの頭に手を置く。
「そうねー。
って、嘘だけど。
杏里はいい子だよ」
そう言いながら、あたしを引っ張る。
そしてそのまま、ありすちゃんの腕の中に収まってしまう。
あわわっ
女の子だけど、男って分かってるから、なんとなくドキドキしちゃう。
たまにとる、ありすちゃんの行動は、なんだか男前なんだ。
てゆーか……
めっちゃ美麗さん、睨んでますけど…。