[完]大人の恋の始め方
◎Level FINAL
別れ?出会い?
「わー寒い!!」
外気が刺さるような12月。
あたしと友美は、クリスマスプレゼントを買いに、デパ地下に来ていた。
"あの事"は、知っているけど、友美には言っていない。
優斗さんが、言うべきじゃないって。
それは、あたしも思う。
だから、変わらず接してる。
「ねぇ友美?
今年は中島さんと過ごすの?」
時計を見ている友美に、尋ねる。
すると、彼女はクスリと笑った。
「違うよ~。
たぶんもう別れるし」
「へ?」
別れる…?
キョトンとするあたしの頬を、友美は突く。
「杏里なら、"意味"分かるでしょ?」
悲しみと、諦めの交ざったような笑みは、あたしの心を締め付ける。
まさか、分かってる?
核心してるの?
確認したいけど、なんとなく止めた。
「じゃあ、なんでプレゼント…」
「最後、笑顔で別れたいから」
えへへと笑う友美は、弱々しかった。
だからあたしは、見守ることを、心に誓った。
あたしが出来るのは、それだけだから。
「杏里こそ、なにあげるのよ」
「あたし?」
「そお、杏里。
優斗さんならなんでも喜んでくれそうだけど…」