[完]大人の恋の始め方
クリスマスプレゼント。
思えば、初めての優斗さんへのプレゼント。
なかなか目星もつかない。
「どーしよ…」
なんとなく、時計見てみるけど……
「全部一緒に見えるよぉー!!」
ショーウインドーに向かって叫ぶ。
「ちょ、うるさいって!!」
友美はあたしを引っ張ると、デパート内の、カフェに連れ込んだ。
「んもー、目立つじゃんか!!」
友美に怒られて、シュンとする。
「……ごめんなさい」
プレゼント…、かぁ。
女の子になら、あげたことあるのにな。
優斗さんとなると、わかんないや。
目の前の友美なら、分かるのにな。
「プレゼントって、難しいよねぇ」
メニューを見ながら、そう呟く友美は、意外だった。
「え?!
友美でも悩んだりするの?!」
言っちゃ悪いけど、友美は男馴れもしてるし、プレゼントも馴れてると思ってた。
さっきだって、時計を見るの凄く様になってた。
だから凄く意外で。
「何よー。
友だって女の子だし、どうでも良かった彼氏に、必死になってプレゼントなんて選んだことないもん」
ぶくーっと膨れるから、またキョトンとする。
なんか、友美は随分女の子になった。
今までは、色気のあるお姉さんにしか見えなかったのに。
素直な感じに見える。