[完]大人の恋の始め方
あ、そうか。
友美は今日……
「大丈夫?」
苦しめる。
分かってる、大丈夫って言葉は、なんの支えにならないことは。
「まぁ、腹はくくったし。
渡してさよなら。新しい恋!」
まっ…前向き…。
驚くほど前向きだけど、無理してる部分もあるんだろうな。
「そっか。
まぁ、いつでも連絡してよ?」
「うん!じゃあ…
帰るかー」
友美の意見に賛成して、教室を出る。
「友美は何買ったの?」
「んーとね、
悩んだんだけど…
プラネタリウム」
意外な路線に、あたしはイマイチピンと来なくて。
プラネタリウムって、星みるやつだよね…?
「なんかねー、欲しいって前言ってたの。
プラネタリウムって星を写すでしょ?
あんなに遠い星が手の届きそうな、天井に写るのが嬉しいらしいの」
ちょっと切なげな表情に、思わず心配にはなったが、でも友美。
あたしは終わるまで、見守るよ。
24日の昼。
あたしたちは、お互い逃げないことを決意した。