[完]大人の恋の始め方
「はー、作るかぁ」
家に着いて、あたしは買い物袋をテーブルに広げる。
北京ダック…買っちゃった。
今日はパスタとか、カルパッチョを作る予定。
一番頑張んなきゃいけないのは、パイスープ。
パスタは、悩んだけど。
やっぱり、優斗さんの好きな和風パスタは欠かせない。
他に、カルボナーラを用意する予定。
「よしっ、頑張んなきゃ!」
…………―――
ピンポーン
インターホンが鳴らされた。
「はいはいはーい。
今開けるよー」
ギリギリ間に合った料理。
それを見てにやけながら、あたしは開ボタンを押した。
それから少しして、ドアが開けられる。
あたしは、パタパタと走っていき、笑顔で出迎えた。
スーツ姿の優斗さんは、とってもカッコイい。
「お帰りなさい!」
にこーっと笑うと、優斗さんも優しく微笑んで
「ただいま」
と、頭を撫でてくれた。
あまーい!!
今日ちょっとあまーい!!
そのままリビングに行くと、
「おー!これ全部杏里が…?」
「北京ダック以外ね。
頑張ってみた!」