[完]大人の恋の始め方
まさかの事態に、顔面温度急上昇。
自らの考えが、こんな羞恥を抱くとは、おそろしや。
「なーに真っ赤になってんの?」
優斗さんは、あたしの顔を覗き込む。
「いや、これは別に///」
まさか、結婚したいと思って照れました、なんて言えない。
なのに優斗さんったら
「ふーん?」
って、何でもお見通しかのように、ニヤリと笑うから、余計に恥ずかしい。
うぅっ…///
「イジワル…///」
「なんでだよっ。
ケーキごちそうさん」
あ、綺麗に食べてくれた…。
それだけで、あたしの胸は熱くなる。
嬉しさと、なんとなくの照れから、俯くと、足元にプレゼントが見えて。
あ、忘れてた。
ハッとして優斗さんを見れば、立ち上がるとこ。
わっ…渡さなくちゃ。
そう思うのに、何故か声が出なくて。
そんなあたしに、気付くはずもなく。
優斗さんは、お風呂に向かってしまう。
だって…
男の人にプレゼントなんて、渡したことないんだもん。
妙に緊張するし…、それに……
ピロリンッ
あたしの携帯がメールを知らせる。
それは優里花さんで。
"プレゼント、渡しそびれてるでしょ?"
バレてるー。
あたしは思わず、優里花さんに電話で返してしまった。