[完]大人の恋の始め方
「どうしたの?立ち上がって」
不思議そうにあたしを見て、目をパチパチさせる彼は、ことごとく可愛い。
って。
そうじゃなくて、だよね?
まず、コレを渡すんだよね。
ギュッと力が入る。
緊張する…。
今更、気に入らなかったらどうしようって思ってる。
あたしは真っ赤になりながらも、優斗さんの元へ。
「杏里?」
上から聞こえる、大好きなその声。
あたしは、小さく息を吐くと、彼を見上げた。
「優斗さん、メリークリスマス。初めてのプレゼントだから、気に入らないかもしれないけど…
杏里サンタからの…贈り物……です///」
ぐいっと優斗さんに突き出すと、彼は真っ赤な顔になる。
……え?
「優斗さん?」
「ん?
あ、あぁ。まさかプレゼントあると思わなかった。
つか、杏里サンタって」
「だっ…だって、今日はあたしは、サンタさんだから…」
そう言って、あたしは来ていたパーカーを脱ぐ。
「おいっ!杏…………里?」
「杏里サンタ…です///」
実は、優里花さんに、特製サンタドレスを渡されていた。
この姿で今日、あたしはサンタさんとして、優斗さんに身を…捧げる//