[完]大人の恋の始め方
更に、頭を押さえる。
んもー最悪!!
そう思った、そのとき。
「アイツを思って泣いた顔は、不細工だけど…」
計が友の顎を掴み、強引に持ち上げる。
「ちょっ!!??」
「でも……」
一瞬、熱が唇に触れる。
え………?
「俺を思って赤くなる友美は、可愛い」
ふっと笑う計に、更に顔が熱くなる。
真冬なのに、友からは湯気が出そうだ。
「ちょちょちょっ!?///」
慌てて立ち上がろうとすると、計はそれを阻止する。
捕まれた腕からは、計の微かな振動が感じられて。
彼が、震えてることが分かった。
「けっ、計?」
「別に、今は俺を好きじゃなくていい。
気がなくてもいい。
ただ、俺に友美を守らせてほしい。
中島蓮の代わりでもいい。
俺が隣にいたい」
………え?
暫し意味が分からず、固まってしまった。
それって
「告白……?」
初めて言われた。
守らせてほしい、だなんて。
友は、いつも適当な始まり方で。
だから、戸惑ってしまって。
「そう。俺じゃ、だめかな?」
「ダメっていうか…
友、まだ全然蓮のこと好きだよ?」
「いい」
「泣くかもしれないよ?」
「いい」
「計のこと、利用しちゃうかもよ?」
「かまわない」