[完]大人の恋の始め方
「あ!友杏(ともあん)だぁ!!」
クラスに入って来た何人かの男子が、囃し立てる。
ともあんとは、あたし達の事。
いつも一緒に居たら、いつの間にか、ペアで呼ばれてた。
友美は、かわいいし目立つから、一緒にいるあたしも有名になってしまったってわけだ。
「あ、おはよっ。」
友美は、笑顔で男子達に手を振る。
本当、モテるのも分かるよ。
「あっ!!ともあんだぁっ♪」
そのうちに女の子達も来て、教室はいい感じに、賑わってきた。
「杏里っ!なぁんか、このクラス最高じゃない?!」
テンションの上がった友美は、無邪気な笑顔をあたしに見せた。
ドキンッ
同性ながら、その笑顔は反則だ。
あたしは、周りのメンツを見る。
確かに、いい子達が集まったクラスだ。
意地悪な子もいない。
「確かにっ!!なんか1年間、楽しそうっ♪」
何たって、華の17歳が、この2年生だ。
やっぱり、いいクラスで楽しい思い出をいっぱい残したい。
「杏里、友美」
急に呼ばれたあたし達。
ほぼ同時に振り返る。
と、そこには見慣れた男子がいた。
「あっれー!?響(ひびき)じゃ~んッ」
「おはよう、響くん」