[完]大人の恋の始め方
響くんは、あたし達と同中で、元カレのことを唯一知ってる人。
でも、あたしの事ちゃんと理解してくれる人で、この学校で唯一まともに話せる男の子だ。
「ったく。友美と一緒とはなぁ」
響くんは、嫌そうな、でも嬉しそうな表情を浮かべる。
……素直になればいいのに。
あたしは何と無く、響くんは友美の事が、好きなのではないかと、思っている。
こればかりは、勘だから核心は持てないんだけど。
「何よ~?じゃあ、杏里と一緒ってのは、どう思うわけぇ?」
友美は、腕組んで響くんを睨む。
「ふんっ。杏里と一緒なのは飛び跳ねるほど嬉しいよ」
「杏里ィ、なんか響が言ってる!!!」
友美は、あたしにチクってくる 。
「あーはいはい。仲良くね?」
友美は不満そうに響くんを見るけど、気にしない。
「杏里は、俺と一緒で嬉しい?」
響くんはドヤ顔であたしを見る。
「ふふっ。うん、普通に嬉しいよ?」
あたしがそう言うと、満足そうな顔をする。