[完]大人の恋の始め方
響くんは、もともとボクシングをしていて、がたいが良い男の子。
雰囲気は、ちょっと怖いけど、話すととても優しい。
目は、笑うとなくなってしまう、切れ長の目で、シュッと鋭い眉毛が印象的。
やんちゃ坊主がそのまま大きくなった感じだ。
身長も180cm近くて、男らしい。
「そんな満足そうにするのは、友美の前にしたら?」
ほかの男友達と話している友美を見ながら、あたしは響くんに呟いた。
「何言ってんだよ杏里っ!!//」
「だって、友美の事が好きなんじゃないの…?」
あたしはニヤリと響くんを見る。
すると、響くんの短めの黒髪が揺れる。
「ったく。杏里の癖に生意気だなぁ~っ」
響くんは、ごまかすように、あたしの頭をわしゃわしゃとする。
「あっ、ちょっとー!!!」
「ざまあみろ!!」
響くんを睨むと、響くんはあたしに意地悪な笑みを浮かべた。
「おい、木村~!!(響)杏里ちゃん、一人占めしてんなよ~」
響くんは、元気な男の人に絡まれて、男子の輪に入っていった。
「あ、杏里!!始業式、体育館でやるんだって!行こう?」
あたしも、友美と一緒に体育館へ向かった。