[完]大人の恋の始め方
体育が終わって、皆が先生のところに行って、話し掛けているなか、あたしは一人でバレーボールの片付けていた。
ちらりと、先生を見れば、女の子達に囲まれて笑っている。
うらやましい。
あたしも、先生に話し掛けたい。
「先生~、彼女いるのぉ?」
「どうだろうね?」
「え~、気になるぅ!」
思わず、耳をだんぼにしてしまう。
「いないよ」
「「きゃぁ~!!!」」
居ないと分かったとたん、黄色い声が体育館中に、響く。
一方、あたしもそれが聞こえて、ボールを落としてしまった。
「ありゃりゃっ」
あたしは、嬉しい気持ちを抑えつつ、ボールを拾う。
「大丈夫か?」
「あっ…大翔先生///」
いつの間にか、あたしのところに来た大翔先生。
男の人に免疫のない、あたしにとって、大翔先生がこんなに近いのは、心臓に悪い。
「松本は、毎回片付け偉いよな」
先生に吊られて、皆も片付けを始める。
「……いえ。そんなこと、ないです」
片付けを終えると、あたしは先生に、体育教官室に呼ばれた。
皆には、羨ましがられ、友美には変わってと言われつつ、あたしは中に入った。
あたしだって、こんな機会ない。
嬉しい!!