[完]大人の恋の始め方
「松本、手大丈夫か?」
その声に、顔を上げる。
「あっ、大翔先生!///全然大丈夫です!」
先生を見ると、抱きしめられた事を思い出す。
「ヒロ先生~!!次、友と杏里が二人三脚出るから、応援してね!」
友美は、大翔先生に抱き着く。
……イラッ
なんだろ。
なんか、凄くムカつくんだけど。
「そうか。それは楽しみだな。校内1位と2位の二人三脚か」
先生は、少し友美を押しながら笑う。
校内1位とは、あたしのこと。
なんか、走るの得意なんだよね。
「ちゃーんと、友の事、見ててねっ!」
友美の言葉は、あたしの怒りをあおる。
「佐藤、俺この間お前の彼氏に怒られたぞ?ベタベタしてんじゃねぇって」
大翔先生は、可笑しそうにする。
「え、もしかしてアキラ?!はぁ、うざぁ~い」
友美は面倒臭そうに、先生から離れる。
「まぁまぁ、それだけ愛されてんだろ?なぁ、松本」
「え、はい。そう思いますけど」
友美は、あたし達の言葉に、さらに顔を歪める。
「そういうの無理。重いよ」
「ちょっと、友美」
けだるそうな友美を、抑える。
「まぁ、いいや!杏里行こう」