[完]大人の恋の始め方
どう見たって、あたしと仲良くなれるような人物じゃない。
「まぁ、知らなくて当然。俺、木村響。アンタの秘密を知ってる」
………は?
木村さん、今の空耳?
「あ、木村くんか!よろしくね……?」
あたしの笑顔にも、不満そうな顔をする木村くん。
「お前、話聞いてた?ストレートに言うけど、お前、相葉大翔先生と付き合ってんだろ?」
………。
空耳じゃなかったーッッ!!!!
え、なんでバレてるの!?
この状況ヤバくない?!
「あああああのッッ、何かの勘違いでは??」
「どもりすぎ。別に隠さなくていいよ。俺バラさないから」
どうやらあたしの嘘(?)は、意味なし??
「どうして知ってるの?」
こうなったらヤケクソだ。
「大翔さんと、俺のアニキが親友なんだ。俺は、二人の会話をたまたま聞いたって話。」
「大翔の親友の弟が、木村くんってこと?」
あたしの言葉に、木村くんは目が無くなる笑顔を見せた。
あっ…可愛い。
この瞬間、響くんの印象は怖いから変化した。