[完]大人の恋の始め方
でも、やはり崩れかけた仲。
ここからら崩れるのに、時間は掛からなかった。
体育祭が終わって11月下旬。
この日は、響くんと友美と、図書室で受験勉強をしていた。
「あ、友美、響くん。ちょっと忘れ物しちゃったから、先に帰って!」
あたしは、図書室に参考書を置いてきてしまった。
「え、大丈夫ぅ?」
友美は、心配そうに、あたしを見る。
「大丈夫だよ!」
多分、暗いからだと思う。
あたしは、友美と響くんにバイバイをして、図書室に向かった。
図書室で参考書を見つけ、帰ろうと、出て来ると、教官室に明かりが着いている事に気がついた。
……もしかして、大翔?
あたしは、何故か向かってしまった。
少し開いた扉。
あたしは、その扉を開けてしまった。
目に映るのは、あたしが見たくない光景だった。
大翔が、女生徒と深いキスを抱き合ってしていた。
「あっ杏里?!」
驚いた顔をしる大翔。
「なんでっ?なんで、あたしじゃない人とキスするの?
あたし、大翔のこと大好きなんだよ?!
大翔っ!」
あたしは、必死に大翔を掴んだ。
しかし、大翔は、それをため息をついて、振り払った。