[完]大人の恋の始め方
そういえば、初めて優斗さんに作った手料理は、和風パスタだったなぁと、思い出す。
「優斗さんも、イタリアン好きなの?」
「イタリアンより、和食の方が好き。でも、和風パスタが1番好き」
…なるほど。
優斗さんは、和食が好きなのか。
ここに来て、初めて知った事実。
「そういえば、あたしパーティーとか出た事ないんだけど…なんか、絶対しちゃいけない事とかって、ある?」
なんか、よくマナー違反だとかテレビでやってるじゃん?
そういうのも見てたんだけど、自分には関係ないとか、思ってたから、よく覚えてない。
「挨拶だけ、ちゃんとすればいい。それに、そこまでお堅いパーティーでもないから、大丈夫だ」
「あ、そうなんだ…」
何と無くは、安心する。
「あ、あと。お前絶対騒ぐなよ?」
……あたしは、子供かっ!!!
「騒がないもんっ」
「どーだか。主人公とか、各々の芸能人が来るからなぁ」
優斗さんは、頬杖を付きながら、あたしを見る。
栗色の前髪が、目に少しだけ掛かって、それがまたカッコイイ。
優斗さんは、きっと芸能人にもなれると思う。
それくらい、彼はカッコイイのだ。