[完]大人の恋の始め方
あたしは、黒いロングファーコート、優里花さんは、白のケープを身にまとい、車に乗り込む。
優斗さんは、黒いスーツに、青のネクタイを締めてきた。
もう、かっこよすぎてヤバいですよ!!
そんな彼に見とれながら、着いた先は、都内でも有名なホテル。
なんでも、一部を貸し切りにしているんだとか。
「優斗さんの嘘つき」
あたしは、車を降りて、キッと彼を睨む。
何が、本格的じゃないパーティーだぁ~っ!!!
めちゃくちゃ華やかだし、めちゃくちゃ本格的じゃないか~ッ!!
「ふっ。だってお前、そうでも言わなきゃ来ないだろ」
「だからって、嘘つくなんてッ!!」
優斗さんは、可笑しそうにしてるけど、あたしはもう冷汗ダラダラなんだからねっ!!??
4月の夜なんて、まだまだ寒いのに、あたしのこめかみには、汗が滲む。
どうしよう??!!
凄く緊張する…。
そう思ったとき、誰かがあたしの肩を叩いた。
「ゆっ優里花さん?」
「大丈夫!傍に、あたしや優斗がいるから!楽しみなっ」
フワリと笑う優里花さんの笑顔には、あたしの緊張をほぐす力があったようだ。
「ありがとうございます!ほんと、迷惑かけちゃうかもしれないですけど…」