硝子の桜-the LastSong-




「とにかく中に入るぞ」


神威に手を引かれてだだっ広い天井の真ん中まで移動する。
そこには足元に巨大な魔法陣が描かれていた。


「わぁ…」


円陣に足を踏み入れ瞬きする。
神威が早口で何事か呟くと円の中身が光り、三人を包んで消した。


「今のが魔法っ?」

「あぁ。つっても移動用の簡単な呪文布を貼付けてあるだけなんだけどな」

「?」

「その説明はまた今度な」


長くなるから。
そう言った神威の面倒臭そうな態度を見て、ティアは一瞬で船の中の長い廊下に移動したカラクリを追求しなかった。



「とりあえずお前には生活品を揃えなきゃだな」
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