ほっと一息する時に【短編集】
「今日は良い天気だね」
車椅子で、人手がなければ生きていけないようなこんな女にそれでも彼は優しく語りかけてくれる。
顔が綺麗なわけではない。性格も美人なんかじゃない。私に良い所なんて一つもない。
だけど...
「風も気持ちいいね」
だけど、こうして傍に居てくれる彼が私は大好きなんだ。
いつかはこんな障害持ち、要らないと、捨てられると、分かっている。
だけど彼が好きだから。いつかは要らないと言われるその日まで。
私は彼に甘え、刹那の幸せに溺れているんだ。