ほっと一息する時に【短編集】


真城が本を閉じて、園児達を微笑みながら見ていた。



――どの動物を見ている時も顔を上げなかった真城が。


やはり彼女の視界に俺を映すことはなかったけれど、彼女はその時だけ始終優しい笑顔をしていた。



……こんな顔もできるのか…


その後俺は、初めて見た彼女の笑顔が頭から離れなかった。
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