ほっと一息する時に【短編集】
「剛は良いよねー
まだ21だもの。」
「無理だよ、俺は。
傷つけることしか知らねー
知ってんだろ?」
すると彼女はグラスをぐらりと傾け微笑む。
「でも、こうしてアナタは私を慰めて傷を癒やしてくれてるじゃない。
だからそれは不正解。」
「けっ…今更先生ヅラかよ…」
「今も昔も私はアナタの先生よ!」
「…お前は他校の先生だろーが。
教わった覚えはねー」
「つれないなー…」
チクショウ。
唇なんか尖らせんなよな。
…少し意識してしまうじゃねーか。
必死に抑えてるのに。