さらば、ヒャッハー
渉のやることを制する秋月もまた京都弁。しかして、どこか違和感がある口調。もしかしたら、この双子たちが使う京都弁はなんちゃってとかつくのだろうか。
真実を明らかにしたいも、渉にとって気になることは、最近妙に皆から「わたるん」と呼ばれることだ。
都市伝説好き少年とそれなりに名を馳せていたが、いつの間にか「わたるん」に。親しみ持ってには違いにないにしろ、こうも短期間で早く浸透するのは何でかとも思う。
「では、溝出さんが起きないと分かったので行きましょうか」
今に考えるべきことではないかと、渉は溝出が入ったゴミ袋を手提げて冬月たちに背を向けた。
案内をするという背中は歩く。
溝出を救う方法が分かるかもしれない人を紹介すると渉は言った。