さらば、ヒャッハー
冬月たちにしてみれば、有り難いこと――と思えば、何だか噛ませ犬に愛情持っていることに繋がるので、表向きはまたヒャッハーでストレス解消すると、少しは救うことに前向きな冬月たちにとっては良い話だった。
しかして、渉はまた一言付け加えたのだ。
『魔法使いを紹介します』
妖怪退治屋でも魔法使いというファンタジーになれば、少々疑問に思う。しかして、冬月から見た渉というのは嘘をつかない誠実少年だ。
まさかここで「嘘でしたー」と渉が自分たちを騙すことなど想像もできない。
故に双子は渉についていった。渉の家まで。
紹介する魔法使いというのは既に渉の家に呼んでいるらしかった。怪しい店屋で会うよりは誠実印の少年宅で会った方がまだ安心はできていたが――歩いている内に、鬱蒼とした空気に呑まれてしまう。