さらば、ヒャッハー


一般的に住居というのは安心できる場所ではないのか。


立地の問題はあるにしろ、こんな辺鄙(へんぴ)なところに住むこともないだろうに。


何か訳ありなのか、第一、秋月は渉に会ってから、変なざわめきを覚えていた。


鏡の染みでしかない些細なものでも、気づけば気にしてしまうざわめき。


渉が危険というわけではない、あるとすれば違和感か。


見た目からして渉は世間からずれているようでも、秋月にしてみれば、そのずれが内面から生じているように思えた。


断定はできない、だからこその憶測で、色々な答えを推測できる上でのざわめきだった。


「わたるんはん、その魔法使いってのは、どんなお人なん?」


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